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夢操り屋 凛 第三章

第2章 嫌な夢。


「犯人はどうなったんですか?」

今度は浩二君が尋ねた。
見たこともないような真剣な顔だった…。

「犯人は逃げたんやけど、助けてくれた人が
 すぐに通報してくれて…捕まったって。
 他にも痴漢の被害があって、その犯人の仕業
 やったみたいで、解決はしたんやけど…。」

「あれから…毎日のように、夢を…。
 犯人が捕まったって聞いても、私には実感が
 ないから…。夢の中で、犯人は笑ってる。
 今も…ずっと…もう…おかしくなりそう。」

プツン!!私の中で音がした。
堪忍袋の緒が切れた音。

先輩の手を、そっと握っていた浩二君を
突き飛ばし、私は…強く、強く、先輩の手を握った。

「先輩!!行きましょう。…ううん。
 私を、連れて行って下さい!!
 先輩を苦しめる、恐怖の夢の中に!!
 …先輩が、前に進めるように、私に是非
 お手伝いさせて下さい!!」

そんな私を…
突き飛ばされて、
しりもちを付いていた浩二君が、
笑いを堪えながら見つめていた。
















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