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明るみの花【文豪ストレイドッグス】

第6章 虎の少年


「………男と抱き合う趣味はない」

そう言って敦君を床に落とした。

「治ちゃん、今のは酷いと思うよ」

私は寝ている敦君に膝を貸した。

「あ!敦君だけ狡い!」

治ちゃんは子供のようにプリプリと怒っている。

「おい、太宰!」

入り口から国木田君が急ぎ足でやってきた。

「遅かったね。虎は捕まえたよ」

治ちゃんは私の膝の上で寝ている敦君を指した。

「その小僧…」

「虎の能力者だよ。変身している間の記憶がなかったみたい」

私はゆっくりと敦君の頭を撫でた。この子は一人でずっと苦しかったんだ。

「全く、次からは事前に説明しろ。お陰で非番の奴らまで駆り出す始末だ」

すると、後ろから三人の人影が現れた。

「なンだ、怪我人はなしかい?つまらないねェ」

与謝野晶子
異能力ー君死給勿

「中々出来るようになったじゃないか、太宰。まぁ僕には及ばないけどね!」

江戸川乱歩
異能力ー超推理

「でもそのヒトどうするんです?自覚はなかったわけでしょ?」

宮沢賢治
異能力ー雨ニモマケズ

「どうする太宰。一応、区の災害指定猛獣だぞ」

国木田独歩
異能力ー独歩吟客

「このままっていうのも、可愛そうだよねぇ」

萩原葉琉
異能力ー氷島

「うふふ。実はもう決めてある」

太宰治
異能力ー人間失格

「うちの社員にする」

治ちゃんはにっこりと笑った。それとは反対に国木田君顔は唖然としている。

「はぁぁぁぁぁああああ!?」

国木田君の声だけが、倉庫内に響き渡った。


虎の少年こと中島敦
異能力ー月下獣
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