第7章 爆弾魔
それを呆然と見ている敦に太宰が声を掛けた。
「合格だってさ」
「つ、つまり…?僕に斡旋する仕事っていうのは…」
敦は恐る恐る治ちゃんに尋ねた。
太宰はクスリと笑い
「武装探偵社へようこそ」
と敦に告げた。
敦は固まっている。
そこに、制服姿の女の子と爆発魔がやって来た。
「うふ、よろしくお願いしますわ」
「痛い!そこは痛いってば。ナオミごめん、ごめんって!」
谷崎潤一郎
異能力ー細雪
その妹ーナオミ
敦は気が抜けた様に崩れ落ちた。
「ぼ、僕を試すためだけに…こんな大掛かりな仕掛けを?」
「この位で驚いてちゃ、身が保たないよ」
太宰が笑顔で答える。
敦は勢いよく後退りして行く。
「いやいや!こんな無茶で物騒な職場、僕無理ですよ!」
その反応をみて、太宰は顎に手をやり考え込む。
「君が無理と云うなら、強制はできないね。となると君が住んでる社員寮、引き払わないと。あと寮の食費と電話の払いもあるけど…大丈夫?」
最後の方は敦への心配というよりは少し脅しに近かった。
敦に選択肢は無かった。