第13章 今夜は朝まで離さない/後編/R18
「ねぇ、これ… どうしたの?」
挿入してから5分ほどが経過した頃、
莉菜さんの指先が、俺の腕にある古傷に触れた。
「それは鍛錬中にできた傷の跡」
「触ると痛い?」
「もう全然痛くない。莉菜さんこそ痛み、どう?」
「ん… だいぶマシになった」
どうやら普通に会話できるほどには馴染んで来たらしい。
ずっとあのままの痛みが続かなくて良かったと、胸を撫でおろす。
「少しだけ… 動いてみてもいい?」
「うん…」
「手、繋ごうか」
俺の右手と 莉菜さんの左手の指を絡ませ、恋人繋ぎをする。
「痛かったらすぐに教えて」
左手を布団について自分の体重を支え、
軽く腰を引いてから、クッ… と小さく前に進めた。
(くぷ…)
ほとんど抜き差しはせず振動を与える程度に。
莉菜さんのイイところに、優しく当てていく。
くぷ…
くぷ…
くぷ…
「あ……!あぁ… あン…っ………」
チョンと当てるたび、可愛らしい声で反応が返ってくるようになった。
それはすごく良かったんだけど。
ゴムをつけていない分、締め付けや温かさがダイレクトに伝わって来て
一瞬でも気を抜くと こっちが快楽の波に飲まれてしまいそうになる。