第13章 今夜は朝まで離さない/後編/R18
大急ぎで湯浴みを済ませ浴衣を羽織って居室に戻ると、莉菜さんは窓の側に立って外を眺めていた。
静かに戸を開いたせいか俺が部屋に戻ったのに気付かず外に目を向けたままだ。
その後ろ姿にすら色香を感じて我慢の限界が訪れる。
触れたい…… 今すぐに。
「何か見える?」
物音を立てずに近付き、後ろからフワッと抱き締めた。
「きゃっ、びっくりしたっ!」
つい気配を消してしまうのは忍の習性かな。
当然 莉菜さんは驚いて身体を固くする。
「外、何か居た?」
「う、うん。満月が綺麗だなって思って……」
「ああ、今日は十五夜だから」
「十五夜!?そっか、それでこんなに月が綺麗なんだね」
「うん… 綺麗だ」
淡々と話してるように見せかけて、抱き締める力を強めて行く。