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暗闇の蕾【文豪ストレイドッグス】

第3章 【SS】中原中也の幹部昇進祝賀会


ヨコハマの一等地に聳え立つ
ポートマフィアの本部
その中のあるフロアの廊下を
私は一人歩いていた。

「葉月や」

後ろからする声に振り返る。

「姐さん!」

そこには背の高い和服を着こなした女性が立っていた。
紅い髪を簪で纏めている。
彼女はポートマフィア五大幹部の一人、尾崎紅葉。

「西方の長期任務から戻られたのですね!」

私は姐さんの元へ駆け寄った。

「此方も色々あったようじゃな。
ちと、寂しいな」

姐さんは口元を抑えながら
私を見つめ、もう片方の手で私の頰を撫でた。

姐さんは
私達がポートマフィアに入った時から
沢山面倒を見てくれた。
優しくお姉さん、いや、お母さんのような存在だった。

姐さんは
少し目を伏せた私に言った。

「済まんの。
寂しいのは私より
其方の方じゃのに」

「大丈夫。姐さん。
心配してくれて有難う」

私はそっと
頰に寄せられた姐さんの手に
自分の手を重ねた。

「時に葉月や。
中也が幹部に昇進したと聞いたのじゃが…
何かお祝いをせんといかんと思っての」

姐さんの言葉に私は笑いながら

「私も同じこと思ってました」

と答えた。

その後、少しだけ二人で作戦を考えた。

「葉月や。
若い衆は頼んだぞ」

「はい!姐さん!
ではまた!」

そう言って私は再び
廊下を歩き出した。
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