第1章 堕落
少し先の未来。
性犯罪の増えた日本では、女性国民の中から無作為に選ばれた者が、「性奴隷」となる。
拒否権はなく、連行され、売られる。
国民の性欲を満たす、道具として。
まさか私が、そうなってしまうなんて。
灯翠は、絶望していた。
薄暗い部屋に閉じ込められた灯翠は、すでに服を脱がされ、手を後ろに回され、手枷を付けられていた。
首には、性奴隷であることを示す赤い首輪。
これから灯翠は、ここを出て、専用の会場で売りに出される。
そして誰かに買われたあとは、買い主―否、飼い主に身体を捧げ、服従しなければならない。
しばらくして、外から声がきこえた。
「今からお前を会場へ連行する。
しかし、その前に見せておかなければならないものがある」