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おそ松さん〜地獄の沙汰もマツ次第〜(R18)

第7章 冥土カフェへようこそ【トド松】


桜ちゃんは、指でハートマークを作った。

「おいしくなぁれ! おいしくなぁれ! 地獄で死者をイジメまくって、バキバキバッキューン! モエモエのキューン♡」

コーヒーとバウムクーヘンに向かってハートを振る。

「……はい、おいしくなりましたぁ!」

「途中、何か嫌なフレーズが入ってたけど!?」

「だって、ここ地獄ですも〜ん。このお店もお客様はみんな鬼さんなんですぅ。死者を入れたのは内緒ですよぉ。バレたら、桜はクビになっちゃいますぅ」

そうなんだ……。ボクはコーヒーを一口飲んだ。

「あ……!? おいしい……!」

温かい飲み物が胃に染み渡る久しぶりの感覚。鼻と口の中に広がる香ばしい香り。自然と身体から力が抜ける。ボクは、ホッと大きく息を吐いた。

「ふふっ、とても美味しそうに飲んでくれるんですね〜よかったぁ」

顔を上げると、満面の笑みでボクを覗き込む桜ちゃん。その顔は本当に幸せそうで、心の底から喜んでくれているのが伝わってきた。

喋り方はちょっとアレだけど、桜ちゃんって素直でいい子じゃん……。地獄に来てから久しぶりに誰かに優しくしてもらった気がする。少しジンと胸が熱くなった。


「桜ちゃん、ありがとう……」

「よかったらシャワーも浴びていきますかぁ? 従業員用のシャワー室が奥にあるので使っていいですよ〜。白装束も新しいのありますよ? さっぱりすると思いますぅ」


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