第2章 【02】魔法の鏡は誰のもの?
たっぷりと数分。ようやく戦いを終えたスクアーロは振り返った。なんだか目が据わっているように見えなくもない。
「テメェは何を作ってやがるんだぁああ!」
「ええ……そんなにダメかなぁ……」
「こんな味の食いもんは初めてだ!!酸っぱいだけじゃねぇかぁ!」
「だよなー」
「だよな、じゃねぇええぇ!知ってんなら無理やり食わすなぁあぁ!」
「うししっ、だって嫌がらせだしー」
「こんのクソガキが!」
遂に乱闘を始めてしまった男二人をよそに、氷雨はおにぎりを持って一口食べる。確かに梅干しは酸っぱいのだがそこが美味しいんだよね、と彼女は思う。
「うーん、味覚の違いって難しい」
魔法の鏡は、君のもの
(あらあら、皆で何してるの~?楽しそうねぇ)
(ルッス姉さん!実はね……)
(そんなことが……これが梅干し?一口もらうわよ)
(やめとけルッスーリアぁああ!)
(どうかなー?)
(あら、美味しいじゃない!スパイシーとは違うけど、なんだか刺激的な味ね!)
(ホント!?やったー、仲間が一人!)
((マジかよ……))