第2章 【02】魔法の鏡は誰のもの?
レヴィはその様子を見て眉をひそめたが、すぐに自分の資料へと目を落とした。いまは一人でも多くのターゲットを記憶することのほうが大切だと思ったのだろう。
製作者の手で飛ばされた紙飛行機は、すうっと空を切って――ルッスーリアと話をしていたスクアーロの頭に直撃した。
「うししし、大当ったりー」
「……こンのクソガキが……表に出ろぉおお!三枚に下ろしてやらぁあぁあ!」
「やれるもんならやってみな!」
「上等だあぁあ!出発は明日の朝9時!聞きてぇことがあるやつはあとで来い!こいつをたたっ切ってから聞いてやる!以上!!」
スクアーロはそれだけ言うと、先に窓から外に飛び出したベルフェゴールを追って自分も窓から飛び降りる。
ルッスーリアは「やんちゃな子達ねぇ」と困ったようにこぼした。常識的に考えれば、やんちゃで済むレベルを越えていることは言うまでもない。しかし、そこにいる誰もがルッスーリアと同様の感想を持っていた。ヴァリアーとは、そういう組織である。
残された者達は、自らの資料を抱えてなに食わぬ顔で会議室を後にするのであった。