第10章 【お風呂場での濡れ事】
「、今晃がお湯を沸かしてくれるから、暫くお休み」
玄関付近の部屋に入り、敷いていた(多分晃くんだろう)
目を瞑り、半分夢の中の私に優しく言葉をかけ、
布団に降ろしてくれた。
白蛇さんに詫びを言いたかった。心配させてごめんなさいって、一言だけでも言いたかったのだが、意識は段々と薄まるばかり。
眠気に押し負け眠ってしまった。
ーーちゃぷんっ
水音が聞こえ目が覚めた。
私を包むのは温かいお湯で、お腹周りに何やら肌の感触がする。
「起きたのかい?中々起きてくれなかったから、先に湯に入ってしまおうと思ってね」
少し顔を横に向かせ、後ろを見やると目覚め早々心臓に悪いほどの美青年がいた。勿論白蛇さんだ。
「……?湯、って……」
徐々に覚醒する意識のまま、体へ視線を向けた。お風呂であるから、それはもう二人とも裸なわけで。
「っ!?ちょっ!は、離してください!!」
バシャバシャと手で水音をたてながら、何とか離そうとする。しかし、がっちりと腕はホールドされていて、少しも離れた気配がなかった。
「疲れている体では洗うのも億劫だろ?私が隅から隅まで洗ってあげたよ」
「し、信じられないっ!寝ている人の体、普通洗いますか!?」
「少しでも早く洗い落としたかったんだよ、駄目だったかい?」
白蛇さんはたまに、自分の美貌を理解しての可愛い路線で話しかけてくる。うっ、と口を噤む。