第2章 想像以上のお屋敷でした。
それは一瞬のことだったけど、
一気に気持ち悪さが込み上げてきた。
うっ……気持ち悪い。自分でも顔がさーっと青くなっていくのが分かった。
気持ち悪さを我慢するため、自然と白蛇さんの着物の袖を掴んだ。
「おや、やっぱり慣れないとキツイか。立てるかい?」
「無理です、何だか目眩がして……」
すると白蛇さんはしゃがんだかと思うと、自分の身体が浮いた。
所謂、お姫様抱っこというものだ。
「っ大丈夫ですから!ㅤお、降ろしてください〜!!ㅤ私重いので白蛇さんの腕折れますよっ!」
あたふたと腕の中で具合が悪いけれど、暴れ余計気持ち悪くなった。イケメン、美青年にお姫様抱っこなんて恐縮してしまうし、これと言って軽いわけでもない。折れたという事があったら心でも死にきれませんってば!
「ふふっ、何を言っているんだい。は軽いよ。ちゃんと食べていたのかい?」
嬉しいようで恥ずかしいような、むず痒い感情が込み上がる。
具合の悪さがまた沸き立ってきた。
暴れることを諦めグッタリとしていると、前方に建物が見えてきた。歩みを止まる。
「付いたよ。ここが私の屋敷だ。」
「ここが、ですか?」
どう見ても日本のお城のような作り。何階もあるわけではないけど、とても広い敷地だと認識できる。
「ちょっと待っててね。今屋敷の者に一室用意させるから」
白蛇さんがそう言った途端のこと。
「旦那様、お帰りなさいませ。」
ペコリと頭を下げた少年が早々に現れた。私より年が下に見えるような幼い顔立ちだ。