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白蛇さんに捕まりました!!

第8章 【果たして私の体は持つのだろうか……】



夕餉の支度を終え、待っていたが、
白蛇さんは帰ってこなかった。

「いつもはお出かけになっても、必ずこの時間には帰ってくるのですが……」

晃くんもどこか心配そうに、あっちに行ったりこっちに行ったりと、忙しく歩いている。
仕えている人だし当たり前だよね……。
私も手伝っている間、集中できなかった。その日は待てども帰ってこなかったから、二人で夕餉を済ませた。


夜になり、私も睡魔に勝てず、布団に入って眠ることにした。
しかし目を瞑っても、羊を二千辺りまで数えても眠れやしない。

「うっ、喉乾いた……」

きっと、数を数えるときに声に出して言っていたからだろうか。頭の中で数えていると、羊が所狭しと現れ何匹目か忘れそうになり、
口でぶつぶつと呪文のように唱えはじめたのだ。
第三者からみたら、翌日の井戸端会議の話題にされそうだ。

かと言って、ここには水道も飲み物もなかった。
行けば必ず水がある厨房へ目指そうとし、部屋を出たのだがーー


「ま、迷子になっ、た……?」


何故だ、朝厨房に行く道通りに進んだつもりだったのに。
おかしいなと辺りを見渡す。
前を見ても、後ろを見ても、左右どちらを見ても同じような廊下が続いていた。この屋敷広すぎません?

「うえー、晃くーん」

屋敷には晃くんと私だけだと分かっていても、小声になってしまう。
この時間帯だ。夜中に大声出すなと、体に嫌でも染み付いているものである。
呼びかけてみたが状況は変わらず、ここに居ても仕方ない、歩いていればどこかに出るだろうと、右側の通路を選び進んだ。



「んっ?何か開けた場所に出たぞ」

っと言っても玄関っぽい。しかし一般家庭の3倍はありそうな玄関だ。靴何束置けるんだろう。
気持ちを紛らわすため、靴の大きさをイメージしながら、一つずつ数えていると。

カチャッ

玄関の扉から聞こえた。

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