第6章 何とかなるか分からないけど、何とかなるでしょ
じーっ、
烏の視線が痛い。痛いを通り越して穴が空きそうだ。居た堪れなくて、目を逸らす。
しかし烏の視線からは免れない。ちらっと様子を伺ってみるが、首を傾げ、また傾げ、見ている。
(うー、烏って怖い。何を考えてるのでー)
頭の中でしくしくと泣いていると、烏という言葉であることを思い出した。
小さい頃、私が小学校低学年の頃、帰り道に弱々しく縮こまっている烏をみつけた。小さい頃故の正義感からなのか、当時給食の持ち帰りが許されていた小学校だったから、
袋を開けて恐る恐る烏の前に置いて、逃げて返ってきたのだ。
次の日登校するときに行っても居なかったけど。
自力でどこかに行ったのか、息が尽きてしまったのではと色々小さい頭で考えたのだ。
大丈夫だったのかな、と烏をチラチラ見ながら思っているとーー
「悪いけど、少し外すね。晃、あとの事はお願い」
「はい!分かりましたっ」
シュピっと敬礼をする晃くんを一度見、私には甘い笑顔を向ける。
白蛇さんが部屋から出る瞬間、烏が届けた手紙がくしゅっと握りこまれ、怒りの篭った表情をしているのを見逃さなかった……。
部屋の襖が閉められると、烏も羽を羽ばたかせ帰っていった。
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現実で野生動物に食物はあげないでくださいね^^;
欲しくて降りてきた子達が大変な目に会いますので( 'ω' ;)