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【短編集】慟哭のファンタジア【HQ】【裏】

第24章 姫君の憂鬱3(菅原孝支)


「い……っ、いく、いく…っ」
しなやかな身体を下から見上げる。
ふわふわの胸が重みに耐えれずに、たぷん、と上下に動く。
それは映像なんかよりずっと綺麗で、淫らなものなんかではない。
何かの美術品を見ている気持ちになる。
さんは、果てる合図をすると、手をそこに誘導し、言葉では言わないがすぐにどうして欲しいか理解した。
「う、ぁ!はぁ、ん…っ」
ぎゅっと壁がカタチに沿って狭くなると同時に、その先端の粒をぎゅっと潰した。
「あああぁ…っ!ん、それ、それぇ…っ、いい…!」
嬉しそうに蕩けると、ちゃぷちゃぷと音を立てて激しく上下に動く。
「はぁ…んぁあ…」
余韻に浸るように身体を密着してくるのが、なんともいじらしく可愛い。

居場所を求めるかのような重なりは、いつも自分勝手なクセに、寂しそうで切ない。
さんはいつもそんな空虚な状態を埋めようともがいてたのかと思う。
だから、彼女の甘えは、一般的な女の子より、深くて広い。
深海に空いた穴のようだと思った。
彼女に未だに緊張してしまうのは、この人を寄せ付けない神聖すぎる空気もあるかもしれない。

「は…っ、、さん…」
避妊具越しとはいえ、罪悪感が襲う。
引き抜いて切なそうなさんの顔は、またなんて表現したらいいかわからない感情を、俺のなかに刻んでいく。
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