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繫がる物語

第7章 第六話


 

 エルアは銀行屋はあまりいけ好かない、と思っている。ジュダルからも、度々、気をつけろ、と言われていた。
「それで、なんの御用ですか?」
 それらの感情を悟られないように平常を装って問う。と、銀行屋は、今バルバッドで起こっている革命、そして紅玉の婚約の破棄について話した。
「それで、紅玉姫は先に帰ることになったのですが、ジュダル殿は安静にして置かなければならないので、我々に任せて、エルア様も紅玉姫とご一緒に帰られては、という言伝を」
「そうですか…分かりました」
「港にて皆様お待ちですよ」
「わざわざありがとうございます」
 軽く頭を下げると、エルアは部屋を後にし、外に出た。








 そして瞬歩で向かったのは、港、ではなく、バルバッド郊外の丘だった。

(あいつらにジュダルを任せておけるかっての)
「縛道の七十七、『天挺空羅』!!」
 印を切り、鬼道を発動させる。
 接続先は、紅玉だ。

『紅玉!私よ、エルアよ!』
「えっ?!どこにいるんですの、エルア?!」
 突然どこからともなく話しかけられ紅玉は驚いたが、エルアの声から感じられる切迫から今はそれどころではないことが分かった。
『悪いけど、先に帰って貰ってていいかな?私、ここに残ることにする!』
「エルア…」
 紅玉はすぐに彼女がバルバッドに残る理由を察し、クスリと笑みを浮かべた。
「分かったわぁ!でも、無理しちゃあダメよぉ?」
「うん、ありがとう」
 そうして交信が切れた。

「おっし!さてと…」
 交信を終え、立ち上がろうとすると、遠くから爆音が響いてきた。
 音元は王宮で、黒々と煙が立ち上っており遠くからでもはっきりと分かる。
(一体何が…?!)
 エルアは王宮へと急いだ。
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