第6章 第零話
突然、眩い光が私を包み込み、私はゆっくりと目を開けた。
私はどこかの空間に浮遊しており、そこには、巨大な球体の物体が光り輝きながらとてつもなくゆっくりと自転していた。
一瞬それは宇宙から見た地球を連想したが、その物体は青色ではなく、白と虹色とがごちゃまぜになったような色をしており、地球ではないことが分かった。
また、それは幾つもの光の筋を放っており、私はその一つに飲み込まれた。
その中で見たのは、飲み込んだ光の白さとは程遠い映像だった。
あるものは戦争。大軍と大軍とがぶつかり、爆発による血煙、人々の慟哭が見え、またあるものは、権力者にこき使われる奴隷達の絶望。
残酷、という言葉で済ませることのできない光景が、そこにあった。
そして、突如、それらの映像は闇を放ち出した。
これにも私は抗うことなく飲み込まれていく。
そこで見たのは、私自身だった。
思い出したくもない、過去の私。
なにこれ……嫌だ………
やめて………やめて………!
消えて…消えて……消えろ…………!
それらに耐え、やり過ごして暫くすると、私に一つの映像が突き付けられる。
ドクン!
途端、心臓の鼓動が高鳴った。
『いやあああああああああ!!!!!!!』
耐え切れず、叫ぶ。声が出なかったが、叫ばずにはいられなかった。
どのくらい叫んだだろうか。
私の意識は再び、途絶えた。