第5章 第五話
視界を遮るほどの土煙が広場を覆う。
『…………』
人々は皆、顔を青ざめさせて、土煙が晴れるのを待った。
とはいっても、皆、予想していることは同じ。
男諸共、少女も巨人に潰されてしまったのだろう、と。
「…ウーゴ、君……」
青髪の少年もまた、呆然と見ているしかなかった。
『見ろ!煙が晴れてきたぞ!』
誰かがそう言ったので、そちらを見ると、確かに、土煙が薄れ、遂には、完全になくなった。
が、そこに、二人の姿はおろか、何も無かった。
『欠片も残らないほど、やられちまったのか…?!』
『なんてこと…可哀想に……』
『でも、血痕すら残ってねぇなんて…』
ほぼ、そこにいた全員が、二人は巨人に跡形もなく消されてしまったと思った。
次の瞬間だった。
ドッッッ!!!!!!!
鈍くも、暴風をまとった衝撃が広場を蹂躙し、さらには、青い巨人を吹き飛ばした。