第3章 第三話
(いや、まだ諦めるなエルア…!)
ズルズルと紅覇に連行されつつもエルアは思った。
(こういう、ヒロイン(エルア)が魔王(紅覇)に連れ去られそうになってピンチの時には、絶対、強くてカッコイイ王子様(主人公:エルア)が助けに来てくれる!世の中は、きっとそんな感じでうまい具合になってるはず!だから私の王子様、早く助けに来t
………ん?
同じ名前が二回出てきたような……)
………………ハッ!!
(王子様(主人公)、私やないかーい!!ダメじゃん!王子様も捕まっちゃ元も子もないじゃん!)
それ以前に、その厨二な思考をどうにかすべきだとおもうのだが。
そんな事を考えている間にも、着実に紅覇の部屋に連れて行かれてるわけで。
「もうちょっとだからねぇ〜、エルア〜♪」
「ひぃいいいっ!!!」
今の紅覇からはかなり危険な感じがするとエルアは本能で悟った。
誰か…ヘルプミィイイイ!!!!