第3章 総悟にバレちゃった 土方十四郎
「そんなこと悩んでいたの?可愛い人ね。」
女は土方を優しく見つめながら膝立ちになり、額にキスを落とした。
普段そういう雰囲気の時、あまり女はから動くことはないので土方は動揺してしまい、顔は赤くなり身体は固まってしまった。
「フフッ、そんなの顔しないでよ。」
「だだだって、お、お前、いつもこんなことしねーし。」
「同様しすぎよ。あなたがやってくれるから、私からしなくてもいいだけじゃない。」
「え…そうなのか?」
「そうよ。」
そう返事をすると女は土方から手を離し、その手を口に持っていき可笑しそうに笑った。その笑い方はなんとも色っぽく土方の心拍数を跳ね上げさせた。
まっずい。今すぐにでも押し倒してえ。でも、んなこと屯所でやるわけにゃいかねーし。あーもクソ!なんでこんなに色っぽいんだよ!
「ほら、問題ご解決したんだから残りの仕事頑張って。'十四郎さん'。」
女は土方の名前だけできるだけ艶っぽく耳元で囁くと部屋を颯爽と去っていった。
一方土方は
あんなやろ〜!こんなことされて俺がすぐ仕事に取り掛かれるわけねーだろ!おぼえてろよ。ぜってー近いうちにやり返してやるかんな。
顔を真っ赤にしながら女の顔を染める算段をする土方であった。