第7章 ヨコハマギャングスタアパラダヰス
「そんでこっちが…いてっ」
「妹のナオミですわ!」
と、谷崎に抱きつく妹の谷崎ナオミ。
「兄様のコトなら…何でも知ってますの」
「き、兄弟ですか?本当に?」
「あら?お疑い?勿論どこまでも血の繋がった実の兄弟ですわ?このアタリの躰つきなんてホントにそっくりで…ねぇ兄様?」
ナオミは谷崎の服の中に手を伸ばし躰を触りはじめ、その様子に敦は冷や汗をだらだら流している。
「いや…でも…」
すると、国木田が中島の肩に手を置いた。
「(こいつらに関して深く追求するな!)」
「(あ…はい)」
「あ、それで…あの、貴女は…。」
敦はなまえの方をチラッと見る。
『ちゃんとした紹介がまだだったわね。私は』
「此方の美女は、私の婚約者であるみょうじなまえちゃんだよ。」
「えっ!?やっぱりそうなんですか!?」
「うん!そうそう~」
にこやかに言う太宰はとても楽しそうだ。
「小僧、騙されるな。太宰の奴が云っている事は嘘だ。」
太宰の横から国木田がぼそりと呟く。
「え…違うんですか…!!?」
『うん、断じて違うねえ。』
「なまえちゃん…!そんなにキッパリ言われると私悲しい…!」
太宰はドンッと机に突っ伏した。
「勝手に悲しんでろ、阿呆が。」
「(太宰さん沈んだ…)」
あからさまに沈む太宰を尻目に、敦は疑問を投げかけた。
「そういえば皆さんは、探偵社に入る前は何を?」