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青 い 花 【文豪ストレイドッグス】

第16章 沈黙の塔、鳩の宴




「はあ~~~遣る気出ない」


ソファにだら~っと寝そべりながら、太宰は云った。


「朝から壊れた喇叭のような声を出すな太宰。」

「私は今ねえ誰かと対話する気力もないのだよ、国…なんとか君。」

「不燃ゴミの日に出すぞ貴様」

「あぁ…食事も面倒臭い…呼吸でお腹が膨れたらいいのに……」


言いながら、バナナを皮ごと食い始める太宰。


「バナナの皮むきさえ面倒なら餓死してしまえ……おいなまえ、何とかせんか!」


国木田がそういって、隣を見れば。

太宰の寝そべるソファの向かいのソファで、太宰と同じくだら~っと寝そべっているなまえの姿が在った。


「なッ…何故貴様まで!!?」

『はあ~~…今息をするのも面倒臭いの……ってことで話しかけてこないで…なんとか木田君。』

「貴様等ァァ!!お前等二人と敦の連携で街は壊滅を免れた!その翌日に何故そうなる!?」


国木田の怒鳴る声に、太宰はだらだらと牛乳を口の周りに零しながら答えた。


「それがねぇ…社長から次の仕事を頼まれちゃって…」

『はー…枯木のように只寝てたい…』

「枯木なら可燃ゴミの日か。そう云えば昨日社長と敦が豪く話し込んで居たが――その件か?」

―――「そうだ」

後ろから、福沢の声が聞こえた。
ぴしっと背筋を整える国木田と、なんとか半身を起こした太宰となまえは向き直る。


「太宰、なまえ。マフィアの首領と密会の場を持つ件は進んだか」

「手は打っていますが」

「マフィアの首領は来ると思うか」

『来るでしょうね。社長を殺す絶好の好機ですもの。』


なまえの言葉に、福沢はすっと目を閉じた。

構成員同士で延々血を流し合うよりは善い、と云って福沢は事務所を出て行った。


「……おい説明しろ。マフィアの首領と密会だと?」

「そうだよ。敦君の着想から偉く大事になったものだ…幾ら組合が最大の脅威になったとは云えー」

「待て待て!……第一何故お前となまえが密会の手筈を整えている?」


怯える国木田に、太宰となまえは不思議そうに応えた。


「『元マフィアだから』」


国木田君以外は全員知ってるよ?と付け足した太宰の言葉に、国木田は石のように固まった。

つん、と小突けば、国木田はバタァン!!と音を立てて、その場に倒れ込んだ。
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