• テキストサイズ

青 い 花 【文豪ストレイドッグス】

第12章 三社鼎立






「同棲なんて聞いてませんよ!!」


探偵社の朝は、今日も騒がしい。
血相を変えて探偵社の扉を開けて入ってきた敦は、大きな声でそう叫んだ。


「部屋が足りなくてねえ」


太宰ののほほんとした答えに、敦は顔を青くしている。


「それに、新入り二人には家賃折半が財布に優しい!」

「しかし……」

「彼女は同意しているよ?ねえ?」

「指示なら。」


鏡花はそう言って、じっと敦を見上げた。
眉を下げて困ったような顔をする敦に、太宰はそっと耳打ちする。


「判らないかい、敦君。マフィアを追われ縁者もない彼女は沼の中のように孤独だ。それに裏切り者を処する為組織の刺客が来るやもしれない…独り暮らしは危険だよ。」

「た…確かに…」

「君が守るんだ。大事な仕事だよ。」

「判りました!頑張ります!」


太宰の言葉に、単純な敦は瞳をきらきらさせながら潔く返事をした。


「(太宰の奴、また敦で遊んでいるな…)」


国木田は心の中でそう思いながら、その光景を静かに見ていた。


『おはようございまーす!』


そんな折、なまえが事務所へと入ってくる。


「はっ!!なまえちゅわーーーん!!」


咄嗟に抱き付こうとする太宰を押しのけ、なまえは自身のデスクに向かった。


「なまえさん、おはようございます!!」


敦の元気な挨拶に、なまえが答えようとすれば。ぴとり、と自身の腕にくっついて来たのは鏡花だ。



『鏡花ちゃん、敦君、おはよう。』

「……おはよう……、ございます…」



にこやかな挨拶をするなまえに、鏡花は小さくだが、確かにそう答えた。




/ 536ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp