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雪解けの春《アイナナ》

第2章 Episode1




「環、今日泊まってってもいいかな。Tシャツとか貸してくれたら王様プリン買ってあげる」

「貸す!」

「よし、交渉成立。コンビニ行こうか」

「行く!」



素直な環はまるで大型犬のようだ。
飲み物も買いたかったため、環と2人でコンビニへ向かう。好きなお菓子も買っていいよ、と言うと環は目を輝かせてお菓子コーナーへ向かっていった。



「さくりん、お菓子何個まで?」

「んー、持てるだけ」

「よっしゃあ!王様プリンは?何個まで?」

「あるだけなら」



環のテンションは最高潮に達したようで、お会計が終わった後もすすんで荷物を持ってくれた。
そして寮に帰ってくると、環は部屋からTシャツとズボンを持って来てくれた。



「ありがとうね。じゃあ私はシャワー浴びてから寝るから、環は早いとこ寝ちゃいなね」

「おう!おやすみ」

「おやすみ」



シャワーを浴びて少しすっきりして、リビングへ戻って来ると大和と三月とは別のソファに横になった。
ああ、お兄ちゃんからラビチャが来ている。



「......明日でいいか」



勝手に結論づけて私は意識を手放した。


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