第13章 Episode 12
「うん。そんなに腫れてないな、よかった」
翌朝、鏡を見て目を確認する。
幸いそんなに腫れていない。蒸しタオルで温めればほとんどわからないだろう。
水で濡らして絞ったタオルでレンジで温め、目の上に乗せるとじんわりと温まっていく。
「あー、気持ちいいー」
そしてメイクを済ませると、IDOLiSH7のみんなとゼロアリーナへ向かった。
私はチケットがあるのでみんなとは別で会場に入った。既に席はたくさんの人で埋まっていた。
自分の席を見つけ、ステージを見る。
本当にいい席だ。
ステージ全体が良く見える。
そして開演。
ミュージカル「Last Dimension-引き金をひくのは誰だ-」天が演じるナインの演技に、私は引き込まれていた。
楽と龍之介もドラマで主演をやれるだけの流石の演技力。
TRIGGERのミュージカルは、大盛り上がりで幕を閉じた。
「ありがとうございましたー!」
天がそう言った時、たしかに目が合った。
ちゃんと見てたよ。
そんな私の思いは天に伝わっただろうか。
そして翌日はIDOLiSH7のコンサートだ。
この日は紡ちゃんと関係者席から見守っていた。
みんなはキラキラと眩しいくらい輝いていて、なんだか感動した。
「みんな、すごく成長したよね」
「はいっ...!やっぱりIDOLiSH7は最高のアイドルです!」
「じゃあ紡ちゃんは最高のマネージャーだね」
そんな、と謙遜する紡ちゃんの頭を撫で、ステージに視線を戻す。
手を繋いだ7人が最高の笑顔でお礼を言う。
三月の連行された宇宙人も微笑ましかった。
ファンも最高の笑顔で惜しみない拍手と声援を送り続けていた。
こうして大盛況で終わったIDOLiSH7のコンサート。
伝説のステージに相応しい特別な熱い姿を見せてくれたのだった。