第2章 Episode1
「ってことで!さくらの新曲リリースを祝してぇ!乾杯!」
「「かんぱーい!!」」
三月の乾杯の音頭で、大和と三月と私の3人はジョッキを掲げた。
とりあえずの生は最高だ。
「っはーーー!たまんないね!」
「やっぱ最初は生だよなぁ」
「大和さんおっさんくせぇー!」
「うるせぇ!ミツなんか酒飲んでいいように見えねぇからな!」
「あはは、2人は相変わらずだねぇ。IDOLiSH7も最近勢い凄いじゃん」
運ばれて来た焼き鳥を頬張りながら、私は2人へ話を振る。
2人が所属するIDOLiSH7と、私は同じ事務所の先輩と後輩だ。歳も歴も私の方が若干長いのだけれど、なんせ小鳥遊事務所はアットホームな事務所だ。
こうしていい意味で先輩後輩の垣根なく接することが出来る。
「おかげさまで。陸の歌唱力が上がったのは間違いなくさくらのおかげだよ」
「え、なに。大和が褒めるとか何かのドッキリ?」
「おい」
「本当だぜ?大和さんだけじゃなくて、この前メンバーとも話してたんだよ!」
「三月に言われたら信じるー」
「お前俺の扱い酷くねぇ?」
まだまだ全然飲み足りていない大和がジトリとこちらを睨んでくる。
大和の隣りでケラケラ笑っている三月も顔は赤いがまだまだ飲めそうだ。