第8章 結婚式
麟太郎 side
(あの子)を引き取った時、天使かと思った
黒い髪に絵麻と似ている茶色い目
実の両親を亡くした事も薄々感ずいては居たが、涙ひとつ見せなかった
麟太郎「今日から僕が“お父さん”だよ」
『……お世話になります』
3歳とは思えないほど礼儀正しく、その口から発せられる声は美しく優しい
成長するにつれて、美しく育って行った
家事も成績も運動もできる
そして、は笑顔を見せる時、不思議と胸が高鳴った
麟太郎「(あぁ、好きなんだなぁ)」
自覚するには時間がかかった
けれど僕はもういい歳で、相手はまだまだ子供