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扉の向こう

第1章 迷子。


【二階堂side】


今日は久しぶりのオフで昼過ぎまで寝ていた。オフの日は、ビールでも飲みながらゴロゴロするのが最高なのに、残念ながら冷蔵庫には缶ビールが1本もなくて、渋々買い出しに外へ出た。


「あークソ、この間買い出しを忘れていた俺を殴ってやりたい。」


缶ビールとつまみを買った帰り道、そう独り言を言ってみたものの、ほどよい風と気温で、このまま公園のベンチで飲むのも気持ちが良さそうだなんて思ってみたりもした。
ただ、一応こんなんでもアイドルやってるから、バレた時が面倒くさい...。


でもやっぱり...

「気持ち良さそうだなぁ...。」


そう思いつつ、だらだら歩きながら公園を見ていると、1人の女性が目に入った。
ベンチに座っている女性。それだけなら気にもならないが、まわりをきょろきょろしたり、ポケットのあたりだろうか?パンパンと叩いて中身を確認してみたり、頭を抱えてみたり...。


「動きが不審者...(笑)」


でも、なんでだ?いつもならそんな面倒くさいコト避けるのに、なぜか彼女の方へ向かって歩いている。自分でも訳がわからない。
近づくと、顔面蒼白って感じ。本気で何か困ってるのか?探し物?気づけば、すぐそばまで来ていて、自然と声をかけていた。



「何かお困りですか?お姉さん。」


女性はビックリしたように、俺の方に振り向いた。











「ーーーッ////!!!」


















...心臓をつかまれたかと思った。

透き通るような銀髪と白い肌。
それと相反するような、真っ赤な...、




いや...、真紅の瞳...。





その、飲み込まれそうな真紅の瞳から
目をそらすことを許されなかった...。



















...あ。

相手も動きが止まっちまった。


気まずくなって、くちを開いた。


 
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