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扉の向こう

第1章 迷子。


【桜凪side】


ーーー風が、気持ちいい。


優しくて...爽やかで...

春...かな...?





私...、寝てるのか...。


でも、そろそろ...帰らなきゃなぁ。









...ん?



...あれ?



どこに...、帰るんだっけ?



...っていうか、

どこから来たんだっけ?




















目を開けると、知らない場所だった。

遊具らしきものがいくつかあって、ちょっとした広場もあって、たくさんの子供たちが思い思いに遊びまわり、その親らしき人たちがお喋りをしながら子供たちを優しく見守っている。
私は、少し離れたすみっこのベンチに1人座っていた。


『あれ、どこだろ...ここ。』


木漏れ日とほどよい風が気持ちいい。
ぼぉーっとする。まだ、寝ぼけているんだな。きっと、気持ち良くて、お昼寝しちゃったんだな。

少し、日がかたむいている。
そろそろ帰らなきゃ。





『...ん?』



違和感に気がついた。

どこに帰るんだ?

記憶を辿ろうとしたけど、なかなか思い出せない。
どうやってこの場所まで来た?
歩いて?何かに乗って?

...っていうか、どこから来た?



だんだんパニックになってきた。
落ち着け、私。何か荷物は持って...ないか。
まわりを見渡してもカバンらしき物はなく、上着やスカートのポケットも見てみたけど何も入っていなかった。

血の気が引いていくのがわかる...。
ヤバイ...ヤバイヤバイ...どうすればーーー。








「何かお困りですか?お姉さん。」



え...?

振り向くと、メガネをかけた知らない男が立っていた。


 
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