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異世界旅行

第1章 俺、異世界に旅立ちます。


俺は今、真っ白な空間にいる。
真っ白な空間には俺と何故か椅子が1つだけ置いてある。

訳がわからない。
何故俺がこの空間にいるのか、何故椅子が置いてあるのか全くもってわからない。

記憶がリセットされたかのように何も思い出せない。

必死に思い出そうとしていると、椅子の上に穴が開き1匹の黒猫猫が出てきた。

俺はその猫を見た途端、雷に打たれたような衝撃を覚えた。
この猫に見覚えがあるように感じるのだ。
それもつい最近だ。
思い出そうとしていると黒猫が喋り出した。

「やあ、待たせたにゃ。君に会うのはさっきぶりだにゃ。」
俺はその黒猫の言葉に呆然とした。
何故なら猫が喋っているから、それにさっきぶりとはどういう事かと考えているとまたしても黒猫が喋り出す。

「覚えてないのかにゃ?……あぁ、にゃるほど。記憶が飛んじゃってるのか。
今思い出させるにゃ。」
そう言うと光の玉が出てきて俺の頭に当たる。
するとさっきまで思い出せなかった記憶が戻り出す。


そうだ。
俺は仕事が休みだったから釣りに行ったんだ。
そしたらこの猫がいて釣った魚をあげたんだ。
そして、釣りを一通り楽しんでから帰ろうとしたら
子供が溺れてるのが見えて
助けようと川に頭から飛び込んだら、思ったより浅くて
岩に頭をぶつけてそのまま死んだんだ。


「その通りにゃ。君は焦ってたのか川の深さに気付かず飛び込んで死んだのにゃ。」

黒猫はそう言うとゲラゲラと笑い出した。
「君って本当に面白いにゃ!助けに行くつもりが自分が死んじゃうにゃんて!本当に傑作にゃ!間抜けにゃ!
それにあの子供は溺れてにゃんかにゃかったのにゃ!」
黒猫の言葉に最初はイラっとしたものの、
最後の言葉を聞いて俺は呆気にとられる。

それに気づいた黒猫は
「あれは溺れてたんじゃにゃくてただ泳いで遊んでただけにゃ。」
と言った。

俺は恥ずかしかった。助けに行くつもりが子供は遊んでただけで、
勝手に焦って飛び込んで、頭をぶつけて死んだなんて。

俺が頭を抱えて悶えていると黒猫は謝りながら話し出した。
「ごめんにゃ。笑いすぎたにゃ。
さて、いきなりだけど本題にはいるにゃ。
君は本来にゃらここに来る事なく生まれ変わるはずだったにゃ。
だけど僕は君に魚を貰って君を気に入ったからここに来て貰ったのにゃ。」
そして黒猫は本来の目的を話し出した。
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