第11章 招かれた客
「おいおいおい、如何云うことだ此れは!!」
-遡ること一時間前。
任務らしい任務も無く相変わらず書類整理に追われていた俺は携帯の電子音で手を止める。
其れは珍しく太宰からのメールで「冥土なう。」とだけ綴られていた。
何時もならくだらねェと吐き捨てて終わりだが今日は青鯖と人虎が来る日だ。
何か嫌な予感がした俺は残りの書類を其のままに車へと乗り込み家に向かう。
慌ただしく家に帰った俺は何時もの様にドアのインターホンを押してから鍵を開けると其処は冥土だった。
否、正しくはメイドの格好をした愛理が出迎えてくれた。
『お帰りなさいませ、御主人様。お風呂になさいますか?御飯になさいますか?それとも「じゅ・す・い?」』
「おいおいおい、如何云うことだ此れは!!」
其処で冒頭に至る。
くそっ、可愛い格好しやがって。
胸も開いてるしスカートも短ェ。
誘ってンのかよ。
「うん、誘ってる。」
「手前ェは先刻から何なんだよ!!」
「だからお風呂か御飯か入水にするか誘ってるのだよ。」
「可笑しいだろ其の選択肢!何で最後愛理じゃなくて入水なンだよ!」
『ふふっ、私が良かったの?』
「決まってンだろ。太宰の木偶さえ居なきゃとっくにベッドに行ってる。」
『…ッ!!』
すっかり茹で蛸状態になってしまった彼女とは別に或る事に気付く。
「そう云や中島は?」
「嗚呼、敦君には此の服は刺激が強過ぎるからね。今ツナ缶を買って来て貰っている処さ。」
「は?何でツナ缶になンだよ。」
「後に分かるさ。……さっ、愛理ちゃん着替えておいで。」
『はぁーい。』