第11章 招かれた客
彼奴をマフィアに、………何度考えた事か。
けど何度考えても結果は同じだった。
そりゃア手元に置いておきたい。
出来るだけ任務には行かせたくないが彼奴の異能力の事だ、首領が良しとしねェ。
まァそんなにヤワじゃねェし危険な任務は俺が同行すれば良い。
其れに探偵社には太宰が居るンだ、尚更置いてはおけねェ。
「……彼奴には綺麗に笑ってて欲しいンだよ。」
「中也、お主大事にしておるんじゃな。」
「当たり前です。」
「そういや写真とか無いんですか?見てみたいです。」
「立原手前はよォ……。」
「早よ見せるんじゃ。」
生憎敵に盗まれた時に被害が及ぶのを避ける為携帯には入れていない。
代わりに鍵の付いた引き出しに入っている写真を取り出し三人に見せる。
「おぉ、鏡花に劣らず可愛い娘じゃのう。」
「美人っすね!!何処で捕まえたんですか!?」
「……えっ!?愛理!?」
「「「は?」」」
「いや、待て。樋口何で名前知ってンだよ。」
「何でも何も友達です。一週間前も一緒に出かけました。」
「マジかよ…。」
「こんな事って有るんですね。」
「世間は狭いとはよく云うものじゃな。」
そういや一週間前友達と出かけるつって朝からめかし込んでたな…。
つーか何で知ってンだよ。
そもそも愛理も俺の事話したりしなかったのかよ!
「姐さんとその愛理さんは如何知り合ったんすか?」
「歩いている最中に財布をスられまして。其れを偶々見ていた愛理がスり返してくれたんです。私が何か御礼がしたいと云うと、じゃあ今度人気のカフェに行きましょ!と返され其処から仲良くなりました。」
「顔だけじゃなく心まで美人!!」
「愛理らしいっつーか、なんつーか。」
「本当に愛理は心まで美人ですよ!私、人を見る目は有りますから!」
「「いや、一番ねーわ。」」