第9章 四月莫迦を君と 其の四
結論を云うと治と中也さんは結託していたのだ。
ちなみに乱歩さんも。
『乱歩さん!云ってくれれば良いじゃないですか!』
「んー?先に太宰に口止めされてたからね。其れに面白そうだったし!」
『真逆こうなる事も全部分かって取引を…?』
「勿論!この名探偵の僕に分からない事なんて無い!と云う訳で明日からお菓子宜しくー。」
『そっ、そんなぁ…。あ!其れよりピアスは!?』
「アンタが寝ている間に妾が外して太宰に渡したのさ。」
『与謝野先生まで……。人間不信になりそう。』
「愛理が企んでくるだろうとは予測していたからね。早めに手を打ったのだよ。」
『中也さん迄治に寝返って!!』
「別に寝返った訳じゃねェ!ただ太宰の木偶を殴れるって云うから協力しただけだ。」
『嘘。他にも取引してるでしょ。』
「ゔっ。……協力しねェと俺の部屋燃やすって云って来たんだよ。」
『中也さん、可哀想に…。』
「でも良いじゃない、愛理の愛らしい寝顔を見たんだから。本来なら私だけしか見れないのだよ?」
「手前本当に嫉妬深いな。」
『太宰さんも、酷いですよ。』
「ふふっ、此の私を騙そうなんて百年早いよ。」
『治の莫迦っ!!いいよ、中也さん行こう!』
「はァ!?」
『作戦終わったら飲みに行くって約束してたでしょ?今から行くの!』
「分かった分かった。其う云うことだ、あばよ、太宰。」
「そっ、そんな〜。愛理ちゃ〜ん!」
『知りません!!国木田さん!今日と云う今日は椅子に縛り付けてでも徹底的に仕事させて下さい!私の分まで治がしますから!』
「嗚呼、分かった。」
国木田さんは眼鏡をかけ直すと笑みを浮かべながら治を縛り上げていた。
私はと云うと中也さんの腕を引っ張り行きつけだと云うBarに連れて行ってもらった。
まだ昼前だと云うのに空いている処を見るとマフィア御用達らしい。
「あの野郎放っといてイイのか?」
『偶には良いんですよ!其れに約束してた、なんて嘘だって気付いてると思いますし。細やかな御返しです。』
「成る程な。まァこうなったら今日はとことん付き合って貰うぞ。」
『望むところです!』
END