第4章 オフィーリア
あれ?一寸待てよ。
何か今凄く恥ずかしい事を云ったような…。
僕等二人は暫く顔を赤くして俯いていたが、先に顔を上げたのは愛理さんだった。
『あっ敦君、その、有難う。実はね私も敦君のこと好きなの。』
「えっ!?でも恋愛は……」
『うん、恋愛はもう懲り懲りって思ってたんだけど敦君と一緒にいる内に、その……。』
「そうだったんですね。でも僕なんかで本当に良いんですか?凄く不釣り合いな気がします。」
正直愛理さんから好きだと云われて天にも昇る気分だが其処が引っかかってしまう。
何処を取っても魅力的な彼女と何も出来ない僕とでは雲泥の差が有る。
その事を伝えたが愛理さんはムッとした顔で僕を見ると、
「周りが如何かなんて関係無いでしょう?私には敦君とても素敵に見えるもの。だから自分に自信を持って欲しい。」
と云った。
僕は肯定の返事をした後名残惜しい別れを告げ、すっかり遅くなってしまった夜道を一人で歩いた。
-次の日。
僕はまた出社する為に探偵社の扉の前に居るところ。
え?どうして早く中に入らないのかって?
其れは……
「えぇっ!?その話本当ですの!?」
「真逆敦だったとはねぇ…。」
「私は挫けないよ。却説と、如何してくれようかなぁ…。」
「選りに選ってあの敦だもんねー。あぁーあ、昨日伝言なんて頼むんじゃなかったよ!」
ね?入れないでしょう?
入ったら確実に殺される。
と云うか僕が安心して探偵社に入れる日は来ないのか!?
『あれ?敦君入らないの?』
「えっ、いや、一寸…」
『ふふっ、じゃあ一緒に入ろうよ!』
「そうですね。」
『「おはよう御座います!」』
END