第4章 オフィーリア
-とある日の探偵社。
僕の名前は中島敦。
色々あって武装探偵社で働いています。
今朝も出社する為に探偵社の扉の前に居るところ。
え?どうして早く中に入らないのかって?
其れは……
「くぉら太宰!貴様は珍しく時間通りに出社したかと思えば早々にさぼるつもりか!!」
「だって愛理ちゃん居ないんだもの〜。やる気出ない〜。」
「お前がやる気が無いのは今に始まったことでは無いだろう!宮野が居るか如何かは関係の無い事だ!!」
ね?入れないでしょう?
今入ったら確実に巻き添えを喰らう。
『あれ?敦君入らないの?』
「へっ!?あ、お、おはよう御座います!」
『あ、おはようー。先に入っちゃうね?』
愛理さんは僕が開けたくても開けられなかった扉をいとも簡単に開けてしまう。
彼女がおはようございます、と出社すると事務所内は一瞬静まりすぐに嬉々とした挨拶が返される。
扉が閉まり終える前に空かさず僕も出社した。
が、みんなの反応は無論彼女とは異なる。
「丁度良い所に来た宮野!この唐変木に仕事をさせるのを手伝え!!」
『えー?一寸待って下さいね。…はい、乱歩さんこれ。昨日云っていた物です!』
「おぉーっ、これが噂の“ふぉんだんしょこら”と云うやつか!じゃあ早速……」
『あ、まだ駄目です!これは電子レンジで10秒程温めてから食べると中の猪口冷糖が蕩けて美味しいんですよ。』
「そうなの!?じゃあ国木田やってきてー。」
「え!?……分かりました。暫しお待ちを。」
『じゃあ私は国木田さんと変わりますね?あっ、国木田さんの分も有りますからお昼に出しますね。』
「あぁ、助かる。有難うな。」
愛理さんの頭を撫でると国木田さんはふぉんだんしょこらを温めるべく給湯室へと向かい、入れ替わりに愛理さんが太宰さんの元へと向かう。
『太宰さん、あまり国木田さんを困らせちゃ駄目ですよ?』
「だって〜。愛理ちゃんに早く会いたくて来たのに居ないんだもの。」