第13章 孤島の名探偵
「……分かんない。」
「えっ!?分からないって如何云う…「だーかーら!分かんないったら分かんないの!」」
「乱歩さんでも分からないなんて、そんな……。」
異能力;超推理を持っている江戸川乱歩を当てにしていた探偵社一同は驚きと困惑を隠せなかった。
其れもそうだ。
何も分からない事は無いと断言出来る程の推理力を持った乱歩が初めて、分からない。と口にしたのだ。
「本当に分からんのか?」
「「「社長!!」」」
「流石の僕でもこんな時に巫山戯ないよ。本当に分からないんだ。」
「……そうか。もし何か閃いた時は教えてくれ。皆の者引き続き愛理の捜索に全力を尽くせ!!」
一同「はい!!」
『んー、流石にずっと此処に居るもキツいなぁ。』
事の発端は三日前。
何処かへ自殺をしに行った迷惑噴射機を探す為、街をぶらついていた私。
ふと路地裏の方に目をやると男性がうずくまっているのが見えた。
『あの、大丈夫ですか!?』
「えぇ、一寸探し物をしていて…」
『私で良ければ一緒に探しますよ。』
「いえ、もう見つかったので。」
彼が喋り終えると同時に私の意識はもう無く、目を覚ませば此の部屋だった。
ホテルの一室と云っても申し分の無い程普通の部屋だ。
食事も与えて貰っているし此の中であれば自由に動ける。
唯扉は頑丈な上に鍵が三つ掛かっているし私には足枷が付いている為脱出など到底不可能だ。
「昼食の時間だ。」
何時も通り頑丈な扉を開けて入ってきた彼は必要最低限しか話さない。
まぁ捕虜?人質?の割にとても良い扱いをしてくれているけど。
『有難う…。ねぇ、目的は何なの?』
「最初に云った筈だ。教える必要は無いと。」
『探偵社に恨みがあるの?其れとも私個人?』
「どちらも違う。」
結局また何も教えてくれないまま部屋を出て行ってしまった。
何時迄こうしてれば良いんだろう。
乱歩さんならすぐに御見通しの筈なのに…。
探偵社のみんな助けに来てくれるよね?
信じて待ってていいんだよね?