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大好きな君へ

第2章 意地悪なバレンタイン


亮side


あかねが座っていた席に置かれた

小さな紙袋には


メモが貼られていて



"いつも私の愚痴や弱音を

聞いてくれてありがとう…

だから今年は亮ちゃんの為に

チョコを作らせていただきました(笑)"



"亮ちゃんの為"


なんて言葉一つで

さっきまで地下深くまで沈んでた気持ちは

簡単に地上まで浮き上がってくるんやから



ほんまに俺は

どうしようもない…(笑)



紙袋からチョコを取りだし

一つ口に放り込みながら


あかねにメールを送る…



ほんとの気持ちなんて

伝わらんでもええ…



ただ…

自分のためだけに作られたチョコの味は


今まで食べたどんなチョコより

旨かった…



そうあかねに伝えたかった…




布団に入り

うとうとし始めた頃に

チカチカとメールを知らせる

スマホに気付いて


ぼんやりとしながら手を伸ばすと



『初めての"旨かった"

ありがたくいただきました…』


なんて

あかねからのメールで



ふにゃりとにやける顔のまま

その日俺は


幸せな眠りに落ちた…
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