第1章 忍べない忍が隣で愚痴っていました(佐助)
「はぁ~秋だねぇ~」
どぉもぉ~俺様、働きすぎの真田忍です・・・長やってます・・・
いや、おかしいとか言わないで。わかってるから!自分で言ってて悲しいんだから!
現実逃避ぐらいさせてくれたっていいじゃない!!
薄給でさ・・・おさんどんまでやらされてさ・・・他のとこじゃ「忍べてない忍」とか言われてさ・・・これでも伝説と張り合うぐらいの凄腕なのにさ・・・オカンとか言われるしさ・・・薄給だし(大事だから二度言ったよ)
団子とか作ってる場合じゃないし・・・暗殺とか諜報とかそっちやらせるべきじゃない?なんで割烹着持ってんだろ・・・薄給だし(三度目)
「なあ・・・どうでもいいけどなんでここで愚痴るの?」
「旦那も大将も耳の穴に指突っ込むんだもん。春之様に言うしかないじゃん・・・聞くだけでいいんだから聞いてくれたっていいじゃん・・・別に給金上げてくれるなんて思ってないし」
どうせ俺様なんて・・・
秋の晴空の下、縁側で暗雲背負って愚痴りまくる真田忍隊長を隣に、茶をすするのは真田春之。
真田幸村の腹違いの兄である。
まったく・・・あの二人もまた無理難題言ったのか
又は減給言いつけたのか
あんだけ佐助を頼りにしてるんだからちょっとは給金上げればいいのに・・・
素直じゃないなぁ~