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君とならキスだけで【TIGER&BUNNY】

第13章 君へと続く夢 side TIGER


フォトスタンドを胸に抱えて、しゃがみ込んじまった俺の背後から………

「………虎徹…さん?」

今、一番聞きたかった声が俺の名を呼んだ。


「ばに………
 ど……して?」

俺はゆっくりと立ち上がる。

「あの……どうしてだろう?
 今、ここに帰って来たら……
 虎徹さんに会えるような気がして……」

「………うん。」

緩慢な動作でジリジリとバニーに近付く俺。

「あ……すみません……
 僕、貴方にあんな酷い事をしておいて
 まだ会いたいなんて………」

「……うん。」

そして手を伸ばせばバニーに触れられる距離まで近付いて……

「怒ってないんですか?
 僕のコト……
 虎徹さんはッ……」

その震える身体を引き寄せ、思いっきり抱き締める。


「バニー……会いたかった。」

「……え?」

「もうお前と離れたくねえんだ。」

「何を……言ってるんですか、貴方は?
 おかしいですよ。」

「おかしくなんかねえ。
 お前、俺を好きだって言ってくれたろ?
 だからこの先もずっと俺と一緒に居ろよ。」

「………いいんですか、そんなコト言って。」

「…うん。」

「僕、離れませんよ。
 虎徹さんがもうイヤだって言っても、
 ずっとずっと傍に居ますよ。」

「うん。」

「ん゛んッッ……」


2人同時にガクンと膝を着くと、この世界にお互いしか居ないんじゃねーかってくらいに縋り付いて抱き締め合った。

あーあ……またバニーを泣かせちまったな。

でも俺の肩から沁み込んでくるバニーの涙は温かくて………

だから俺はバニーが泣き止むまでその耳元で囁き続けたんだ。


「バニー……愛してる。」
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