第6章 変化。
学秀サイドーー。
東の国と僕らの国の国境付近で、僕はマウスンの時にまぁの魔力を抽出したわずかな治療薬を持ち、他のモンスターや人間に効果があるか試している。
やはり、人間サイズになると、量が必要だ。
先程試したものでもう治療薬はほぼない。
ガルルゥ〜!!!
荒らされた民家の端で、感染していると思われるオスの犬型モンスターのワオンが、別のワオンのオスに牙を剥いている。
その背後には、メスのワオンが怯えている。
学秀『仕方ない…。』
僕が感染したワオンを追い払おうとした瞬間、メスを守るワオンが感染したワオンに飛びかかる!
学秀『くそッ…』
感染したワオンに噛まれたオスのワオン。
僕はすぐさま感染したワオンに剣で威嚇し、追い払う…。
そして、振り返った僕の腕に鋭い痛みが走る…。
噛まれたばかりのワオンがもう感染し、興奮状態になっている。
なぜだ…潜伏期間が急速に早まっているのか…?
やばい…早くこの事を法王に…。
僕は力を振り絞り、残り少ない治療薬を口に入れ、テレポートする。