第4章 発症の時間。
私は今、お父様とお兄様と一緒にカラナ大聖堂で、魔法水晶の画面をみている。
法王『家畜や野生モンスターが最近人を襲う事件が多発している。これは古代に流行った吸血病…。治療薬は確立されていません。
まぁ、ここ最近は何も視えていないのですか?』
『はい…。特には……。あっ!』
学秀『どうした?』
『いえ、視えたというか…。実はこないだバハムートさんの所にみんなと遊びに行った時に、ランガが出てきたんだけど…。
ランガのような小型モンスターに、一瞬力が働いて…。
確かにそのランガも様子がおかしかった…。』
法王『なるほど…。おそらく今回の件と同様の現象で間違いないようですね。
また何か視えたら報告して下さい。』
『はい。』
私が椅子から立ち上がると…。
ズキン……。頭が…痛い…。
私は頭を抑え、屈み込む。
学秀『まぁ!』
法王『まぁ、大丈夫ですか?』
頭に映像が流れる。
ここは……。東の国の街…。なに…?これ……。
人々が、女性や子供を襲っている…。
若い女の子が、男の子に懇願している。
女『どうしちゃったの!ねぇ!やめて!』
男『ほしい…お前が…ほしい……。』
女『きゃーーー!』
ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…。
学秀『まぁ!しっかりしろ!』
『学…秀……。』
私は力が抜け、学秀に支えられている。
学秀『強回復薬のポーションだ。魔法よりも早く効く。
飲めるか?』