第3章 平穏な日々に嵐はやってくる~チョロ松~
「あぁ、そんな感じするね! 梅ジャムだし髪色も赤かなぁ。それで声優は・・・・」
なんだかんだ言いつつ結局二人で盛り上がりながら駄菓子コーナーで菓子を吟味していると、後ろに駄菓子を買いたそうな子供がボケーっと私達を見ていた。
「ママ―、この人たち変だよー」
「しっ、目を合わせちゃいけませんっ」
これ二次元でよく見る光景だ・・・まさか三次元でおこるとは・・・貴重な体験をしたぜ・・・
「・・・・・・・うんっ、ごほん、ごほんっ」
「・・・・・・・んんんん、えっほん、うぉっほん」
お互い顔を赤くし誤魔化す為の咳払いをした後、私達は立ち上がり元の目的に戻るのだった。
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「いやぁ、助かった助かった! チョロ松が値段とか色々気にしながら買い物してくれたお陰で思ったより安く済んだし、こんだけあれば暫くは大丈夫ーー♪ 大量大量♪
さっすがチョロ松だよー、遠慮しておきながら何だけどチョロ松がついて来てくれたお陰でいい買い物出来たし、新しい漫画の案も浮かんだし! ほんっとありがとうっ」
「別にいいって、僕も久しぶりに楽しかったし。ああいうネタ的な話出来る相手ってあんまりいないしさ」
少し照れるように笑って返すチョロ松に、ビニールの中からビールとおつまみを取り出し差し出す。
「これ、お礼のビールとつまみね!好きな時に飲んでよ」
「お礼~?別にいいのに。でも、くれるんならもらっておくよ、ありがとう」
買い物を終え大きめなレジ袋をチョロ松が持ち4つ程抱えて二人ご機嫌に車へと戻っていく。
自分で持つと言ったのだが「僕が持つ」と言い張られ、私は小さなビニール袋だけしか手に持っていない。
一応女子扱いしてくれてるのかなぁ?とか思うとちょっとむず痒いなぁ。
「昔は鞄とか持ってこいだぁ、疲れたから抱っこしろだとか煩かったのにねぇ~」
「昔の話でしょ。僕らだってもう子供じゃないんだから」
「そうだね、ありがと、チョロ松」
「これくらいどうって事ないよ、僕だって一応男なんだし、重いものくらい持つよ」
二次元だったらこれは萌える台詞ですなぁ、とか関心する。
言うとまた顔赤くして反論するに違いないのでにっこりしたままニヒヒと返した。