第1章 マイペースな猫のように【皆木綴】
「つづる、今ので目……覚めた」
え、急に呼び捨てされた。可愛い。
"俺がいるのに寝てるからっすよ"なんて言うも
「私がいるのに課題してた綴が悪い」
そう述べられると反論はできない。
「課題は終わりましたよ。何かします?」
「……ギュッてして」
あぁ、もう。なんでこんなに可愛いんだろう
俺の彼女は。
彼女のお願い通り俺は彼女を抱きしめる。
「えへへ……綴くん好き~♪」
抱きしめられて少し嬉しそうな彼女が俺の肩に顔を埋める
あぁ~、可愛いすぎる。
しかし高校卒業するまでは手を出さないという約束をしたのだから約束通り理性は抑えよう。
「俺もいづみのこと好きだぞ」
「綴は……意外と肩の筋肉とかあるんだ」
意外って……
「意外ってなんすか、俺だって男なんですから筋肉くらいはありますよ?」
俺は筋肉なさそうに見えるのか……?
「でも女の子みたいに肌綺麗だね……」
彼女の指がつーっと首筋をなぞる。煽ってるようにしか思えねー……
「ちょ、それやめてもらえます?」
「あぁ、ごめん。綴も一応男か」
一応ってなんだ、一応って。
「俺だって男なんですから……」
再び彼女の唇に唇を重ねる。
「んんっ……」
「これで俺も男ってわかりました?」
-後日談-
「つづるんといづみちゃんって付き合ってるのは知ってるけど、なんか更に距離近くなったよねー」
俺と彼女の高校時代の先輩、三好一成。
「三好さーん、いづみは既に俺のもんなんで手ぇ出さないでくださいね」
「だいじょうぶ!いづみちゃんはつづるんの彼女だってわかってるから!!」
「ちょ、三好先輩!?」
fin.