第3章 からかい上手【古市左京】
「これがこうなって……あれ?」
やばい……パソコンがフリーズしてしまった。
「……あ?まだ残ってたのか」
あ、左京さん来た。
「まだ残ってたのかじゃありません!!パソコンが……」
フリーズしたという状況を説明する。
「あぁ?パソコン?……フリーズしただけじゃねえか」
いや、フリーズしただけって……。
「フリーズですよ!!だけってレベルですか!?」
「機種が古いからな……ちょっと貸してみろ」
左京さんはやっぱり頼りになる、けど顔が近い……
「おい、何見てんだ」
あれ、私そんなに見つめてたかな。
「え、いや……顔近いなって」
「このくらいまだ普通だろ?」
「ほら、動いたぞ」
「左京にぃ、ありがとう……?」
左京にい、だなんて久々に呼んだな。
「…左京にぃとは呼ぶなと言ったはずだが?」
やばい、怒らせちゃったかな……
「すみません……って左京さん!!」
さっきよりも顔の距離が近いな。
「本音を言っちまうとお前の事は好いている。…少しでいいから、じっとしててくれよ?」
左京さんがそう言えば私の唇と左京さんの唇が重なった。
「んっ……!?」