第19章 南の島の時間
『きれぇ〜!!!』
カルマ『見てよ!まぁ、あっちにイルカがいるよ!』
私たちは今、南の島へ向かうフェリーに乗っている。
私はお兄ちゃんの耳元でそっと囁く。
『暗殺、成功させようね!』
カルマ『そうだね!今やれる事を全力でぶつけるつもりだよ。』
お兄ちゃんと私が頷き合う。
前原『なぁ、あの2人って兄弟だけど血が繋がってないんだろ?』
磯貝『らしいな。』
前原『あんな可愛い妹がいて、カルマが羨ましいよなぁ。恋愛感情とか湧かないもんかねぇ。』
岡野『カルマ君もかっこいいしねぇ。まぁは、ほんとにお兄ちゃんって感じだけど…。本音はどうなんだろうね。』
ひなの『見てみて!コロ先生!島が見えてきたよー!』
コロ先生は、乗り物酔いをするらしく、グッタリしながらひなのが振るったナイフを避けている。
店員『お待ちしておりました!当ホテルオリジナルジュースです!!』
クラスの半分以上が先にホテルへ向かい、私たちを含む残り数人は荷物を預けて、準備に取り掛かる。
班別行動をし、誰かの班がコロ先生と遊ぶ間に他の班がコロ先生暗殺に向けて準備を進めていく。
今はひなのたちの班が陽動でパラセーリングの真っ最中。
わたしはその様子を黙って眺める。
カルマ『まぁ、こっち持ってて!……?聞いてる?』
『あっ!ごめん。お兄ちゃん。ひなの達の班、上手くやってるなって思って。』
カルマ『あぁ、上手くこっちが見えないように誘導してるよね。さ、次は俺らの番だ。急ごう!』