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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第9章 お忘れではございませんか



「今日は学級委員長を決めてもらう」


学校っぽいの来たー!!と生徒たちが歓喜し、前のめりでほぼ全員が手を挙げる。
そんなクラスを眺めながら、手を挙げていない生徒が二人いるのを相澤は視界に捉え、名前を頭の中で思い浮かべた。


(…轟と、深晴か)


最後列に座る轟も、教壇に立つ相澤と同じように俯瞰してクラスを眺めていたのか、自分と同じように挙手していない向に視線をやった。
民主主義に則り推薦の多数決で決めよう!!と飯田が高らかに挙手しながら、自己主張が激しいのか激しくないのかわかりにくい意見を主張した。
その言い分にしぶしぶ納得したクラスのメンバーは、「では、私が人数分の投票用紙を作りますわ」という八百万の発案に乗ることにした。



◎投票結果

緑谷出久3票
八百万百2票
尾白猿夫1票
爆豪勝己1票
切島鋭児郎1票
峰田実1票
口田甲司1票
障子目蔵1票
耳郎響香1票
蛙吹梅雨1票
上鳴電気1票
瀬呂範太1票
常闇踏陰1票
砂藤力道1票
芦田三奈1票
飯田天哉1票
青山優雅1票
葉隠透1票



「僕3票ーー!?」


と叫んだ緑谷は、その投票結果に、ガタッと座席から立ち上がるほどの衝撃を受けた。
苦節15年、生まれてこのかた学級委員長になど推薦されたことのなかった彼は、他を差し置いて人気役職に抜擢されたことを喜んでいいのかわからずに、顔を引きつらせたままその場から動けずにいる。


『おー集まったね。おめ〜出久』
「なんでデクに…!!誰が…!!」


わなわなと震えながら怒りを堪えている爆豪。
自身が0票なことはどうでもいいのか、カラカラと笑いかけてくる向。
前の座席に座る対照的な二人の座席の間を通り、緑谷は複雑な面持ちのまま教壇へと進み出た。


「じゃあ委員長緑谷、副委員長八百万だ」
「ママママジでマジでか…!」


さらっと発表する相澤の横に立つと、クラスメート達の顔がよく見える。


(…あれ?)


そんな中、緑谷は最後列の轟に視線を奪われた。
彼は委員長の二人を見ることなく、ただじっと、爆豪をなだめる向を見つめている。
その視線の先で、仲良さげに言葉を交わす向と爆豪。
自分が急にもやもやとした気持ちになり始めた理由がわからず、緑谷は浅く息を吐いた。

















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