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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第8章 キミに近づきたい




『言葉が少なくてわからない』
「あぁ!?これぐらい察しろや、バカかよクソが!!」
『今は一言多い、バカかよクソがっていうのは要らない』
「指図してんじゃねぇよ!!」
『してない。勝手に勝己がそう思ってるだけ』
「…ってめェは…」


つくづくムカつくな!!
と爆豪が両手を爆発させたのを見て、向は少しだけ微笑んだ。


「笑ってんじゃねぇ、ブッ飛ばすぞ!!」
『急に機嫌がまた悪くなったってことは…私の解釈が違ったのかな?「お前はハズレだ」じゃなくて、何がハズレなの?』


向はじっと爆豪を見つめ、物怖じすることなく問いかけてくる。
本当にそんな解釈をしていたのかとようやく思い至り、爆豪は再び「てめェの知能はクソ雑魚か!!」と罵倒を繰り返す。


『ハズレ……ハズレ……くじ?あ、私の当たりくじがハズレだなってことが話したかったの?それは伝わらないよ、あの言葉数じゃ』
「てめェの解釈がひねくれてんだろうが!!」
『はいまた他人のせい。ちょっとみみっちすぎるんじゃない?』
「あァ!?あるわ、器の大きさくらい!!」
『それが備わったら最強だね』


勝己は、もうかっこいい個性を持ってるし。
と向は爆豪を見据えて言うと、ふわりと穏やかな笑みを浮かべた。
その顔を見て、爆豪はまた怒鳴ろうとした口を開けたまま、一瞬何かを考え、向に向けて罵声を発することなく、開けたままだったその口を閉じた。


『ちょっと、勝己のせいで話題がハズレくじから一向に進まないまま駅に着いちゃいそう』
「あ!?……だからよぉ……ってめェの解釈の問題だろ!入学早々絡んできた時もそうだ、せっかく話しかけてやったのに、喧嘩売ってきたのはてめェだろ!?」
『は?喧嘩売ったことはないけど』
「じゃあ出会って初日のあのクソ生意気な言い草はなんだ!?」
『……初日……?』


向は、出会って早々、喧嘩を売られたときのことを思い出す。


ーーーんでそんな没個性のヤツが雄英にいんだよ?とっとと失せろやモブ


そう罵ってきた彼に、売り言葉に買い言葉を返すと。
確か、爆豪は少しの間だけ。


(……キョトンとした顔をしてた?)



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