第10章 自己中心的
全身が震え出す。手も足も心も……
目を見開き、ただただ琥珀と桔梗を見つめるしか出来ない。
琥珀
「珊瑚ちゃん……。隠してた事は謝るよ……で、でも 僕たちの話も聞いて……」
____苦しい____
珊瑚は震える手をギュッと握り締め、震える声を出した。
珊瑚
「は……始めっから皆知っていたんですか……?なのに…お、弟の事……知らないふりをしていたんですか……?……し……知ってましたよね、私の気持ち……。早く京緋が目覚めて欲しい……って……。それを……邪魔……」
琥珀
「…………ごめん。」
琥珀は悲痛な表情を浮かべ、俯く。
____誰か____酸素をください_____
桔梗
「……違う!!俺達は珊瑚を騙したつもりは無い!!」
いきなりの桔梗の大声に、琥珀は顔を上げ 珊瑚は体をすぼめた。
桔梗
「確かに、俺達はお前と会う前から知っていた。でも、今はまだ話す時期じゃないと思って黙ってたんだ!」
珊瑚
「……話す時期じゃない……?」
桔梗はフウと息を吐く。