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【YOI・男主×ユーリ】扉の向こうとこちらのエロス

第4章 エピローグ


「昨夜俺に言ったよな?俺が欲しいって。あれは単に俺とヤる為だけの口実だったのか?」
「違うってば!でも、僕は夢中になり過ぎた挙げ句君に色々な真似しでかしちゃったから、合わせる顔がないと思って…疲れ果てたようなユリの寝顔見てたら、段々申し訳なくなってきて、僕の事嫌いになったかも…って、痛っ!」
力任せに額を叩かれた礼之は、痛みに顔を顰める。
「何するんだよ!」
「それで済んだだけ有難いと思えよ。昔の俺なら、蹴りか拳が飛んでる所だ」
理不尽な返事を聞いて、流石の礼之も怒りが湧いてきたが、ユーリは構わず言葉を続けた。
「お前、自分で言った事もう忘れたのかよ?絶対に俺を傷付けないって」
「忘れるもんか!だから僕は、君に悪いと思…」
「勝手に俺の気持ちを判ったつもりになるな!どうして俺に何も言わずに出て行こうとしてんだよ!?俺を好きだと言ったくせに…俺を傷付けないって約束したお前が、一番俺を傷付けるような真似すんなよバカ野郎!」
「!」
半ば叫ぶように気持ちをぶつけてきたユーリの瞳には、涙が溢れ返っていた。
やがて何度もしゃくり上げながら胸を叩いてきたユーリに、礼之は眉根を下げると顔を近付け、昨夜は出来なかった彼の目尻からとめどなく流れる雫を、舌で舐め取る。
「ゴメン」
「口先だけの謝罪なら、いらねぇ…っ」
「もう二度と年下だからとか、自分の自信のなさを言い訳にしたり卑屈になったりしないよ。これからユリにもっと相応しい男に、そしてスケーターになってみせるから。Minä rakastan sinua.『君を愛している』」
意志の籠った礼之のスオミ語と日本語での告白を耳にしたユーリは、礼之の胸に顔を埋める。
「本当だな?」
「君と僕自身に誓って。ユリはもう、僕のものだから」
「…あぁ?お前が俺のものなんだよ、バーカ」
「え?」
機嫌を直したらしきユーリが、顔を上げながら礼之に迫ってくる。
「昨夜から今の今まで随分好き放題してくれたな?お蔭で俺腹ペコなんだけど。ホテルのモーニングには行けねぇし、駅の近くにあったカフェの朝飯、結構美味そうだったなあ…」
「…ダッシュで買ってきます」
「着替えるから待ってろ。一緒に食いに行くぞ」
先程とは打って変わって慌てふためいている礼之の姿に、ユーリは小さく笑った。
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