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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第21章 ココロ、重ねて


~ 百 side ~

マリーと龍の撮影が終わってスタッフたちが動き出し、暫くするとオレとマリーのシーンを撮るべく準備が施される。

ここのシーンってオレとマリーが初めて出会うカットだからと監督にも説明されて、アドリブ入れるなら入れてもいいよって言われたけど・・・さて、どうしよっかなぁ?

マリーの事だから台本はきっちり読み込んでるだろうし、あんまアドリブぶっ込むと怒られそうかも・・・いや、わりと平気、か?

前に一緒になった時だって無茶ぶりなアドリブしてもマリーは撮影中、顔色ひとつ変えずについて来てくれたし。

撮り終わってから、百ちゃんアドリブ多過ぎ!ってほっぺ膨らませてたけど、怖いってより可愛かったし。

怒ってても可愛いとかサイコーじゃん!

って、あんまり大声出して言うとユキに渋い顔されちゃうけど。

「百くん、今日は宜しく頼むよ」

ポンッとオレの肩を叩く声に顔をむければ、上機嫌の監督がいた。

「こちらこそよろしくお願いしまーっす!百ちゃん頑張っちゃう!」

ガタッと車椅子から立ち上がって大きく両手でガッツポーズを見せながら、監督に向けて上級コースの笑顔を見せた。

「今回は原作者から映像化するなら是非と言われて百くんと愛聖さんにお願いしてるけど、俺はそれ以上にこの撮影が楽しみなんだ。もちろんメイン以外の演者も申し分ない。ただ、急遽原作にはない役がひとつ増えてね・・・それをどう扱うか、今考えてるんだが・・・」

こんな急に原作にない役柄を入れ込むだとか、この監督にしては初めてなんじゃないのか?

「それって結構オレも絡むシーンにいる役ですか?」

単なる興味と、それから監督のあまり浮かばない表情に何かを感じて直球で聞く。

「いや、ね。ちょっとスポンサー関係でワケありで・・・と言っても、そこまで深刻ではないが、原作者に承諾を得てる訳だからなるようにしかないよ。ちなみに彼女は新米ナース役としてだから、百くんや愛聖さんとの絡みは多くなると思うが、その辺も含めて宜しく頼むよ」

「彼女・・・って、じゃあその人は女優さんてことですね!わぁ、オレ楽しみ!ロマンスとか生まれちゃったら監督ゴメンね~!なんちゃって」

いつものようにキャッキャと笑いながら言って、それでその人は誰なんです?と聞けば。
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